旅をする高木 – No travel, No life —

【世界記憶遺産】カンボジアの今もまだ記憶に新しい悲しい歴史~トゥールスレン(S21)

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こんにちは。

プノンペンの印象は、僕らは特に悪くありません。

なので、毎日結構勢力的に動けてます。

毎日、天気が良いのもいいですね。

王宮観光の翌日も、徒歩で観光地を巡りました。

 

ホテルを出て、まずは近くのマーケットを散策。

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ここのマーケット、何でも売ってました。

虫なんかも売ってました。ちょっと食べようかと思いましたがやめときました。

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東南アジアの例に漏れないマーケットです。

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外からのマーケット。

いやーしかし、天気が良い。

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その後は、近くの博物館へ向かいました。

 

途中、日本援助で道路建設が行われている箇所が。

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ベトナムの地下鉄にしろ、日本の技術は、この東南アジアの色んな国で役に立っているんですね。

 

途中、コーヒーとティーを買います。

 

今までの、国で「ちょっと、紅茶飲みたいね(僕はコーヒーが飲めません)」なんて思わなかったけど、ここカンボジアでは、飲みたいと思ってしまいます。

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アイスコーヒーと紅茶で6500リエル(195円)

ここで問題発生。

 

100ドル札しか持ってませんでした。

しかし、コーヒー屋台のおばちゃんはお釣りがないとの事。

 

困って、隣のSAMSUNGの携帯屋さんに入るも、

「100ドルの両替はできない」とのこと。

 

「ちょっと遠いけどスーパー行って両替か?」なんて思ってたら、

このSAMSUNGで働くナイスガイが、一緒に近くの両替屋に連れて行ってくれて、

100ドルをまんまとリエルに両替。

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仕事中だったのに、連れて行ってくれてありがとう!

 

たくさん、お礼を言って、コーヒー屋台を後にします。

ここのコーヒー屋台もおいしかったです!

 

いやー、しかし、この日はホントにとても良い天気

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途中、事故を目撃。

車が停まっている車に突っ込んでました。

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しかし、ぶつかった車は、すぐにその場を後にしてました。

何事もなかったかのように。

残されたのは、ぶつかられた赤い車と、ぶつかった残骸。

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ホテルを出て、約2km歩いて博物館到着。

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ここは、世界でも珍しい博物館です。

現在の名前は

トゥールスレン虐殺犯罪博物館

当時の名前は、ありませんでした。

しいて呼ぶならS21という番地みたいな物で呼ばれていました。

 

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入場チケット、3ドルを購入して入館します。

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ここ、博物館と言っても、当時の建物がそのまま残されており、

その建物内部に、

ここで何が行われていたのか?

が展示してあります。

トゥールスレン虐殺犯罪博物館とは・・・


 

話が長くなると思いますが、僕なりに簡略して書かせてもらいます。

そして、ここには多少の認識不足が含まれることをどうか、ご了承ください。

※※※

ここ、元は、高校として使われていた施設です。

プノンペンにあった高校だったのです。

じゃ、何で高校が虐殺犯罪博物館なの?

って思うと思います。

 

現在もそうですが、独立した時、カンボジアは王国です。

王様がいました。

シハヌーク王のもと、独立します。

しかし、独立したにも関わらずお隣のベトナムでは南北戦争が起こっており、

それの影響があってか、なかなかカンボジア国内情勢も安定化しませんでした。

そして、とうとう王様が追いやられます。

1970年

ロン・ノルが代表の反シハヌーク軍がクーデターを起こし王様が追放されます。

王政が終了します。そして、ロン・ノルが中心とした新しい国クメール共和国が誕生します。

しかし、このクーデターは火に油を注ぐ結果に。

国内の情勢はさらに悪化します。

そして、ベトナム戦争の飛び火でアメリカ軍がカンボジアに侵攻してきます。

シハヌーク王は、中国に亡命しましたが、それでもなんとかカンボジアを取り戻そうとします。

そこで、シハヌークはクメール。ルージュと力をあわせる事に。

アメリカ軍は、シハヌークは南ベトナム解放民族戦線と繋がっていると思い、ロン・ノル派を支持します。

ここで、

クメール共和国(ロン・ノル+アメリカ軍)  VS カンプチア民族統一戦線(シハヌーク王+南ベトナム解放民族戦線+クメールルージュ)

という図式ができあがります。

この後、クメールルージュは徐々に力をつけて行きます。

そして、1973年、ベトナム戦争からアメリカ軍が手を引くと同時に、カンボジアからも手を引きます。

南ベトナム解放民族戦線も同様に手を引きます。

しかし、力をつけたクメールルージュの勢いは止まらず、クメール共和国への戦いを続けます。

そして、1975年。プノンペンを占領。

翌、1976年、クメールルージュ代表のポル・ポトを中心に民主カンプチアが誕生。

この民主カンプチア。表向きはシハヌーク王体制の王政と銘打ってましたが、

実際は、ポル・ポトが裏で全権を掌握する国でした。

そして、ポル・ポトは、農業のみを残す原始共産制を目指します。

工場、学校、病院などを全て閉鎖。そして貨幣の意味もないと、廃止。宗教、映画などの娯楽を全て排除。

そして、国民から一切の財産・身分を剥奪し、農村に強制移住させ農業に従事させました。

※※※※※※※※※※※※

そして。

ポル・ポトの独裁政治が始まります。

ポル・ポトは一切の資本家、技術者、知識人等の人々を反革命分子とみなし、虐殺し始めます。

反革命分子、を尋問しその係累を暴くための施設として、ここトゥールスレンが使われました。

普通の国民であった人たちを捕らえ、そして拷問をし、虐殺する為の収容所だったのです。


 

空の青さが校舎を照らします。

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造りは、コの字に、A棟、B棟、C棟、D棟の4棟がそれぞれ3階まであります。

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当時のまま、所内の規定が残っています。

「真実をありのまま述べること。」

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A棟。

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A棟は特別独房でした。

官僚などが監禁されていた場所です。

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ベットに繋がれるための足かせ。

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3階部分には3人部屋がありました。

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A棟から、外の眺め。

正面の鉄棒のようなポールは、囚人を逆さにつるし、下の甕の水をため、そこにつける拷問がおこなわれていました。

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B棟。

 

囚人、看守達の写真。

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当時のトゥールスレンの所長「ドッチ」

今でも、裁判にかけられています。

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看守もクメール・ルージュから指名された一般の国民でした。

そして、看守(処刑する側)、囚人(される側)たち、共に10代、20代が中心でした。

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看守も、秘密を守られば、即刻、囚人の立場に早代わりの日常でした。

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高級官僚も例のごとく、疑いをかけられたら処刑されました。

高級官僚に関しては、即刻処刑されたようです。

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ポル・ポトの銅像。

顔面に大きく×が書かれていました。

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C棟。

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ここは、独房。

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1室が11に区切られていました。

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独房内の様子。

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D棟。

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D棟は、下の絵のように、雑居に人が押し入れられていた場所でした。

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そして、この絵はこのトゥールスレンに収容された20000人の中でたった8人の生き残った人のうちの一人が書いた、

当時の内部の様子。

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そして、実際に処刑された方の骨なども展示されており、見ることができました。

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8人の生き残った方の中で、現在も生きておられる方は若干2人だけらしいです。

そして、そのお二人ともに、ここで会うことができました。

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当時のこと思い出すだけでとても辛くて辛すぎて、できれば思い出したくないと思います。

できれば、このトゥールスレンという場所すら見たくないと思います。

しかし、お二人ともこのカンボジアの歴史を後世に伝えるという道を選んでました。

それを感じただけで、僕らは涙が出そうになりました。

 

僕が生まれたとき、まだここでは虐殺が行われていました。

とても近い過去です。

こうして、僕らはここに訪れて、

こういった負の過去が現実として行われていたことを、

こうして他の誰かに伝えることで、

少しだけ、ほんの少しだけ役に立てるのかなと思いました。

 

そして、カンボジアの人々が優しいのは、

こういった負の過去を抱いているからなのかなって感じました。

 

この日は、一日中良い天気で、太陽がとてもまぶしい暑い一日でした。

 

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